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アメリカのピノノワールで最も著名、というよりもブルゴーニュ以外のピノノワールの生産者で最も著名な生産者といって良いでしょうか。

オーナーであるジョシュ・ジェンセン氏は、エール大学を卒業し、オックスフォード大学で修士課程を終えた後、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、ドメーヌ・デュジャックというブルゴーニュを代表するトップドメーヌでブドウの栽培、ワインの醸造を学びました。

そして1971年、母国アメリカでロマネ・コンティの味わいを表現するワインを造ることを目指し帰国。ファーストヴィンテージは1975年。

今では”カリフォルニアのロマネコンティ”の異名をとるほど世界的に評価され、ピノノワールの括りを抜きにしても世界トップクラスの作り手です。
カリフォルニアで初めて高級ピノノワールの生産にチャレンジし、成功させたカレラに”人工衛星でピノノワール生産に最適な土地を探した” 、”ロマネコンティから苗木を持ち込んだ”等の真偽が定かでない噂が立つのもその見事なまでの成功故と言えるでしょう。

そのカレラの作るワインはカリフォルニアなのにブルゴーニュ的エレガンスを感じさせる、というよりはピノノワールという入れ物にカリフォルニア的熱量を十二分に詰め込んだような仕上がりで、ブルゴーニュの同じクラスのワインよりも輪郭のハッキリした旨さが特徴的です。カリフォルニアのロマネコンティ、という表現は些か行き過ぎている感じもしますが、その香りのキーの高い香水的な一部分には僅かにDRC社の影響がうかがえるかもしれません。

ブルゴーニュのピノノワール、ひいてはヨーロッパのワインとアメリカのワインの個性の
違いを教えてくれる良いワインです。この機会にぜひ。

リストランティーノ ルベロ
ソムリエ 加瀬